大腸がんの原因
大腸がんの発生は生活習慣と関わりがあるとされ、牛や豚などの赤肉や加工肉の摂取、飲酒、喫煙により大腸がんの発生するリスクが高まります。また、肥満も大腸がんを発生するリスクが高いとされています。これら生活習慣以外にも家族性大腸腺腫症やリンチ症候群の家族歴があると、大腸がんの発生が多く見られることも知られています。
大腸がんについて
大腸がんとは大腸の一番内側にある粘膜に発生するがんです。
良性のポリープが大きくなる過程でがん化して発生するものと、粘膜の正常な細胞が直接、がん細胞に変化して発生するものがあります。大腸がんはがんに罹患する人の中で胃がん、肺がんに次いで3番目、女性は乳がんに次いで2番目に多いがんです。また、脂肪分の摂取の増加等の食生活の欧米化等により年々患者数が増加しています。
大腸がんの症状
早期の大腸がんでは、
自覚症状は殆どなく、がん検診や人間ドックなどの便潜血検査で見つかることが多いです。
しかし、がんが進行し大きくなると以下のような症状が現れます。
便が細くなる、便の狭小化(便が細くなる)・残便感・便秘と下痢を繰り返す等の便通異常、血便、腹痛、貧血、体重減少等
大腸がんの診断
便潜血検査は、検便をとり、その中に微量の血液が含まれているかを検査するものです。大腸の腺腫やがんは出血するため、便に血が混じっているか検査することで、その病気の有無を調べることができます。しかし、2回法(検便を2回採取して検査する)でも、1~2割の見逃しがあります。また、痔などでも、出血することがあり、原因までは分かりません
肛門から、バリウムとガスを送り、大腸粘膜にバリウムを薄く塗布して、レントゲンで大腸粘膜の影をみる検査です。放射線技師の職人芸的な高い技術が必要な事、便が残っていると見落としが起こりやすくなる事、がんやポリープが疑われると、大腸カメラでの再検査が必要となる事より、初めから大腸カメラをすることが多くなっており、注腸造影はあまり行われなくなっています。
大腸カメラ(下部消化管内視鏡)は小さい腺腫や早期がんの段階で見つけられるので、早期発見には最もふさわしい方法です。特にがんの予備軍である腺腫ができた人は、勧められた間隔で検査を受けましょう。
大腸がんと診断されると
大腸がんと診断されると
大腸カメラで大腸がんが見つかれば、がん組織を採取して、病理組織診断を行い、大腸がんと確定されます。さらに、がんのある部位や広がりを調べるために、CT検査やMRI検査、PET-CT検査など画像検査を行います。また、大腸がんには腫瘍マーカーがあるため、血液検査でCEA、CA19-9などを測定します。
大腸がんの治療
大腸がんの治療は内視鏡治療、外科的手術、薬物治療、放射線治療などがあります。治療方法の選択については、がんの進み具合、患者さんの全身状態や年齢、合併する他の病気などから総合的に判断します。がんが切除可能な場合は、内視鏡治療または外科的手術を行いますが、切除不可能な場合は、薬物療法を中心とした治療を行います。
しかし、当院では、大腸カメラを行っていません。
大腸カメラは、日帰りで簡単に検査できますが、ポリープを切除した後、出血や穿孔(腸に穴が開く)のリスクがあります。入院設備の無い施設や、夜間対応の出来ない施設で、帰宅後に出血や穿孔した場合、その後の対応が遅れる事も考えられます。また、そのような施設では、大きなポリープは、その場で取れず、基幹病院に紹介され、再び大腸カメラを行うことになり、患者様も医師も二度手間となります。
この為、院長は日本消化器内視鏡専門医、日本消化器病学会専門医として、基幹病院に勤務の際には、数千例の大腸カメラを行ってきましたが、当院では、大腸カメラを行っていません。便潜血で要精査の方等、大腸カメラが必要な方は、さいたま市民医療センターやさいたま赤十字病院、埼玉メディカルセンター等の基幹病院に紹介して、大腸カメラをして頂いています。この方が患者様がより安全に検査できると考えています。